山神としての天狗は

天狗はしばしば輝く鳥として描かれ、松明丸、魔縁とも呼ばれた。

怨霊となった崇徳上皇が、天狗の王として金色の鷲として描かれるのはこのためである。

また、山神との関係も深く、霊峰とされる山々には、必ず天狗がいるとされ、実際に山神を天狗とする地方は多い。

現在でも、山形県最上郡の伝承にみえる天狗は白髪の老人である。

山伏を中心とする天狗の信仰は、民間の仏教と、古代から続く山の神秘観山岳信仰に結びついたもので、極めて豊富な天狗についての伝説は山岳信仰の深さを物語るものである。

山形県などでは、夏山のしげみの間にある十数坪の苔地や砂地を、「天狗のすもう場」として崇敬し、神奈川県の山村では、夜中の、木を切ったり、「天狗倒し」と呼ばれる、山中で大木を切り倒す不思議な音、山小屋が、風もないのにゆれたりすることを山天狗の仕業としている。

鉄砲を三つ撃てばこうした怪音がやむという説もある。

その他、群馬県利根郡では、どこからともなく笑い声が聞こえ、構わず行くと更に大きな声で笑うが、今度はこちらが笑い返すと、前にもまして大声で笑うという「天狗笑い」。
update:2010年03月06日